日本法中毒学会第37年会

#レポート2018.08.01

月日: 2018年7月6日(金)~7月7日(土)
会場: 昭和大学 旗の台キャンパス

  2018年7月6日(金)から7日(土)にかけて、昭和大学旗の台キャンパスにて「日本法中毒学会 第37年会」が開催され、2日間にわたり出展しました。今年はKuraBiotec社から新商品の「BGTurb」をメインに展示し、さらには新しい試みとしてバイオクロマト社の「コンビニエバポ」を展示しました。どちらも大変特徴のある商品で多くのお客様からご興味をいただきました。他にも弊社取扱商品の中心でもあるクロマト関連消耗品、UCT(United Chemical Technologies)社の固相抽出カラム、Omni(Omni International)社のホモジナイザーの展示もおこない、こちらも多くのお客様からご興味をいただきました。

今回新商品として展示しました「BGTurbo」は、尿サンプル中の代謝物を加水分解するための酵素β-グルクロニターゼ製品のひとつです。「BGTurbo」の特徴は圧倒的なグルクロニターゼ活性の高さです。これまでの「BG100」のグルクロニターゼ活性が>100,000Units/mlであったのに対し、「BGTurbo」はその倍の>200,000Units/mlの活性を有します。そのため非常に短時間かつ室温での加水分解処理が可能であり、前処理時間と手間を大きく削減することができる製品です。標準的なプロトコルでは10分以内、加温不要(オピオイド系のみ要加温)で85%以上の回収率を得ることができます。なかでもベンゾチアゼピン等の眠剤系の分析においてはほとんどがグルクロン酸抱合体に代謝されることがわかっており、「BGTurbo」は特に有効であると考えられます。

KuraBiotec社は他にも「BAM」という製品をラインナップしており、こちらはグルクロニターゼ活性のほかに、サルファターゼ活性も有している製品です。>100,000Units/mlと「BGTurbo」よりグルクロニターゼ活性は低いですが、同時に高いサルファターゼ活性を有しています(>20,000Units/mL)。体内に代謝された薬物は尿中ではグルクロン酸抱合体と硫酸抱合体とで存在します。「BAM」はサルファターゼ活性も高いため硫酸抱合体も効率よく加水分解することが可能で、どちらの抱合体を多く含んでいるか未明なサンプルの分析には特にこちらが有効です。
バイオクロマト社の「コンビニエバポ」は、1.5mLのバイアル内でも濃縮を可能にする画期的な製品です。吸引式ボルテックス濃縮により表面積を増加させ濃縮速度を加速させることで、水やDMSOなどを使用した試料の濃縮も可能です。高温に加温する必要もなく、容器内を高真空にするわけでもないため突沸の心配もありません。特に本学会にご参加のお客様は貴重な生体サンプルを取り扱うことが多く、容器の移し替えによるサンプルロスを防げるという点でも多くのお客様からご評価をいただきました。

今回はバイオクロマト社のコンビニエバポのデモ機を展示したことで、今までで一番多くのお客様の目を引くことができ、結果として多くのお客様にお立ち寄りをいただくことができました。またKuraBiotec社の新製品を紹介するなかで、少量ではあっても多くのお客様が酵素を使用していることもわかりました。まだ酵素を使用していないお客様へ有効性をPRする意味でも今後も継続的に展示を行い、全国的にユーザーを増やしていく必要性があります。これからは酵素による加水分解が主流になる可能性が高いため、先駆けて戦略的な展開を今後していこうと思います。

担当:東京営業所 H.Y.

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