日本薬物動態学会 第30回ワークショップ
月日:2016年5月12日(木)~13日(金)
会場:千里ライフサイエンスセンター
例年GW連休も明けて、初夏の陽光が差し始める頃に薬物動態ワークショップは開催されます。私は4回目の参加となりますが、数ある学術大会の中で本ワークショップに愛着を持っております。薬物動態学会の学術大会としては秋の年会よりも参加人数は少なくなりますが、研究者の方々の密度の高いディスカッションを拝聴できるように感じるのは勘違いでありましょうか。そんなワークショップでありますが、今年は千里(大阪)で開催されることになりました。これまで神保町での開催が続いており、古本屋の並ぶ路地を歩いて会場に向かうのが恒例だった私にとっては、大阪開催ということだけでも目新しいものがありました。懇親会でお聞きしたことですが、大阪開催は30回続いているワークショップの歴史の中で2回目とのことです。
今回のワークショップのテーマは「外へ向かう薬物動態 ~臨床, 疾患, 新しい萌芽技術~」でした。各論詳細についてのご紹介は差し控えますが、大枠として次のような講演がございました。 ・安全な臨床実験に臨む為の非臨床実験のあり方, 治験薬投与量の安全域の設定 興味深く拝聴した演題ばかりでございましたが、中でも未だ脳内薬物濃度を非侵襲的に直接定量する手法がなく、またそれを推し量るバイオマーカーも見つかっていないことは意外でした。広く処方されているSSRIについても有効血中濃度がないことをお聞きし、改めて中枢神経作用薬の複雑さを実感いたしました。 毎年講演テーマは変わっていきますが、研究者の方々が熱心な議論を交わされる様子は変わることはなく、勉強をさせて頂くと共に本学会参加の大きな楽しみとなっております。お客様に有益な情報を1つでも多くお届けできるよう、研鑽を積んでまいりたいと改めて実感した学会参加となりました。 |
担当:名古屋営業所 K.O.