2015 ASMS(American society for mass spectrometry)

#レポート2015.07.07

月日:2015年5月31日(日)~6月4日(木)
会場:アメリカ ミズーリー州セントルイス

 世界最大の質量分析学会ASMSは5月31日~6月4日の5日間の日程で、アメリカ ミズーリ州セントルイスで、開催され全米有数の犯罪都市セントルイスは、ダウンタウン中心部でも夕方になると、人通りが少ない街で、そのためか日本からの参加者は今まで参加した中で一番少なかったように感じました。
私は今回で8回目のASMS参加ですが、毎年ポスター発表の量と質に驚かされます。今年も昨年同様、毎日約700枚のポスターが5日間の開催期間中、日替わりで発表しています。そのメージング測定についての発表が、多かったことです。中でも癌細胞のイメージング測定の発表には私自身が強く興味を惹かれました。弊社取り扱いのサーモフィッシャーQ Exactiveを使用した発表もございました。また、ブルカー・ダルトニクスは以前よりイメージングにさらに力を入れているように感じました。
サーモフィッシャーサイエンティフィック社のユーザーズフォーラムでは新製品GC Q Exactive Orbitrapの発表がありました。GCは注入口がお客様自身で交換可能なTrace1310を接続。Q Exactiveの基本はスキャンスピードが18Hz・分解能は最高で10万となっております。他社のGC QTOFと比較し感度も数十倍、分解能もまったく違う次元の装置であり、すばらしメーカー様で、LC/MSでのイオン化に苦しんでおられるお客様には良い装置であると考えます。その他にFusion Lumoも発表がありました。既存装置Fusionとの変更点は四重極タイプで最高感度を持つQuantivaのレンズは、イオンファネルとトランスファーチューブを採用しているため、感度が約1.5倍に変更となりました。こちらもプロテオームなどで定量も行っておりますお客様には良い装置であると思います
ブースは189社が展示をしており、年々増えていく傾向にあります。このことからもメーカーが学会に力を入れていっているということを感じました。また、ブースではクロマト関連の消耗品会社展示が増えているように感じました。

また弊社が今年のPittconで打ち合わせをしたクロマト消耗品の製造メーカーの工場見学もしてきました。フィラディルフィアから車で1時間程のところで、ニューヨークにも近い場所にあります。メーカーとの機密保持で製造工程をお見せできないのは非常に残念ですが、品質管理された製造工程は、安心して商品をご紹介できると確信しております。また、ユニークな商品が多く、超微量インサート、インサート入りバイアルやキャップは特許を取得している商品もあります。これからお客様にご提案出来ますのが非常に楽しみです。
ほかにソフトウェア会社との打ち合わせを行いました。まだ日本における実績は少ないようですが各メーカーのソフトウェアとの互換性もあり、HPLCや質量分析装置からのデータをカスタマイズしていくことが可能でございます。お客様の解析が多種多様になっている昨今では非常に面白いメーカーであると思います。弊社の特徴にサービス部門もございますのでそちらからのサポートをしていくことも考え、お客様に早くご提案して参れますようにしていきたいと思います。
私は今後も毎年参加し、この業界の最新情報を見聞きしたことを、中部科学機器として日本のお客様にご紹介し続けて参りたいと思います。

  担当  東京営業所   S.I.

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