第22回最新科学機器展・第10回計量計測総合展

#レポート2012.05.15

会場:名古屋市中小企業振興会館 吹上ホール
月日:2012年4月18日(水)~20日(金)

 リーマンショック以降の景気の悪化もあり、この地域での開催は中止も検討されていたようですが、今回も最新科学機器展が開催されました。
出展社数は前回と比べて減少が見られたものの、前回(2009年4月)は業績不振などの理由で来場を見合わせていた企業様の訪問もあり、東海地区の景気回復を感じさせる機器展でした。

今回の機器展の内容には震災の影響が色濃く見られました。
1つは放射能汚染関連です。原発事故による放射能汚染を調べるための測定装置は既に全国に広く普及しています。その需要に伴い各メーカーでも開発が進み、今回の機器展ではオートサンプラーが標準装備され、少量サンプルで放射性セシウムの測定が出来る装置(アナリティクイエナ社)や、放射線の簡易測定用の計測計(ケニス社)、またコストダウンを図った、放射線測定の際に利用する消耗品(サンプラテック社)など、複数のメーカーで出展されていました。これは過去の名古屋の機器展ではまったく見られなかったことです。同時開催されていた科学機器学習教室においても放射線測定のセミナーが行われるなど、世間の動きにより我々の役割も大きく変わるのだと実感します。まだ東北や関東と比べて東海地区では放射線測定に関しては温度差があるようですが、今後は営業活動や生活していく上でもより身近になってくるのだろうと感じます。

他に大きく展示されていたものは新エネルギー開発関連です。最新科学機器展と同時開催という形で再生可能エネルギー展が行われました。内容は太陽光発電や風力発電、燃料電池などの再生可能エネルギーや環境保護関連の製品・技術の展示です。企業や官庁、大学の研究成果や製品紹介などが広いスペースに展示され、その隣に設けられた特設会場では大学の先生や企業の研究者の方々による研究発表が行われました。こちらは第1回の開催であり、これからの重要課題になると思われます。機器メーカーによる装置の展示でも新材料分析のアプリケーション紹介も見られ、今後は研究者の方々の装置の利用範囲や利用方法なども大きく変わってくるのではないかとも思います。

震災によって国内、また世界中で大きな変化が起こりました。脱原発の動きにより研究者の方々の研究内容や方向性も非常に変化があったと思います。今回機器展に参加させていただいて、私どももその変化に対応し、よりよい手助けをしていかなければならないと強く感じました。そして日本や世界でよりよい変化が起こることを切に願います。

担当 名古屋営業所 M.Y

医薬、食品、環境、材料、バイオなど、様々な分野で使用される分析機器・理化学機器および各種消耗品のことなら中部科学機器へ

お電話でのお問い合わせ
メールでのお問い合わせ
Page Top