2011ASMS(American society for mass spectrometry)

#レポート2011.07.04

会場:アメリカ コロラド州 デンバー
月日:2011年06月5日(日)~9日(木)

 今回の59th ASMSは、成田空港からロサンゼルス経由にてデンバーに到着しました。ここデンバーは、ロッキー山脈の麓に金の採掘を目的として誕生した街です。その昔は、一攫千金を狙う人たちが集まり、ゴールドラッシュに沸きました。 デンバーは芸術と文化の街でも知られています。アメリカ造幣局、デンバー美術館、デンバー自然科学博物館などが知られていますが、今回は残念ながら見学する機会はありませんでした。次回は、歴史や文化を知る上でも是非、訪れたいと思います。 また、気候ですが、年間平均で300日が晴天と天候にも恵まれれています。今回の訪問した時期は、太陽の日差しも強く、暑く感じられましたが、日本のように湿度が高いわけではないので比較的に過ごし易い、気候でした。日差しがないと少し肌寒く感じられました。

今回、会場となったコンベンションセンターは、とても広く、日本では考えられない程、大きな施設で開催されました。会場の外には、とてもユニークなブルーベア(オブジェ??)があります。それが、中を覗き込むようにそびえ立つ姿が印象的でした。

ASMSでは、各質量分析メーカーが新製品を発表する場でもあります。発表の規模も世界最大の質量分析学会です。開催時は学会講演が朝から始まり、夜は11時まで、各メーカーのホスピタリティー・スウィートがあります。業界で三大メーカーとしてサーモフィッシャーサイエンティフィック、ABサイエックス、Watersがあり、加えてBuruker、Agilent。さらにPerkinElmer、LECO、島津など、各社の発表、展示やホスピタリティーなど、各社、とても力を入れています。

今回のASMSでは、新製品発表が少ない中、サーモフィッシャーサイエンティフィック社の新製品は注目を受けていましたので、ここで2機種の紹介をさせて頂きます。

1)Q Exctive
これは、従来から販売しておりますExactiveに新たなテクノロジーが、加わった装置です。 定性・定量のどちらのニーズにこたえる新製品です。分解能最大14万・精度は外標5ppm ・内標1ppmという卓上型質量分析装置として最高の精度と分解能を持ち合わせております。 最大の特徴の一つはOrbitrap前段に四重極を搭載したことです。これによりMS/MS測定や四重極でのプリカーサーイオンのアイソレーションを可能としました。次に新型S-Lensの搭載です。集約型Lens(イオン化効率のアップとカーブを描いたことによりノイズカットを可能)のS-Lensに、さらに金コーティングを加え耐久性を向上させました。またBent Flatepoleといわれます中性子ビームロッカーを四重極の手前に搭載し、ニュートラルイオンをカットしS/N比を向上させることが出来ました。

2)Orbitrap Elite
これは世界の定性分析で標準機といっても過言でないOrbitrapの新型機種です。 最大の特徴はOrbitrapを小さくしたことによりスキャンスピードを著しく向上させ、1秒間に分解能6万測定を4回、最大分解能24万測定を可能としました。また、QExactiveにも搭載した新型S-LensとBent Flatapoleを採用。化学組成をよりミスなく判別することが出来るだけでなく、蛋白質・メタボロミクス測定はもとより、材料関連の測定まであらゆるニーズの分析を可能と致しました。

Import Agent(Import Products)
・ホモジナイザーを扱っておりますOMNI社ではプラスチックディスポプローブOmniTipsの溶剤耐性を高めたOMNI TIPS hybrid probeが発売となりました。 外刃はステンレス製で、内刃には非晶性熱可塑性ポリエーテルイミド(PEI)樹脂のUltem樹脂を採用しており、耐薬品性を高めた製品です。従来のディスポプローブの便利さを残し、耐久性を高めたプローブですので、日本でも早く展開して参ります。
・弊社でバイアル瓶やシリンジフィルターを販売していまが、新たにマイクロプレートやSPEカラムなども注目できるアイテムがあり、より安く品質の良い商品を提供できるよう情報収集なども学会期間中に行ないました。今後、皆様にご案内が出来ればと考えています。

今回のASMSは昨年と比較し、ポスターや参加企業の規模には変化はないように感じましたが、参加人数は増加しているように感じました。これは欧米のみならず、日本をはじめとするアジアでの参加が多く、特に中国、そしてインドなど数多くの参加が有りました。発表内容から感じられるのは、プロテオームに加え、バイオマーカーの定性・定量による成人病やストレス診断、メタボロームなど様々な研究がされており、私も最新のテクノロジーを搭載した質量分析装置の販売に携わり、お客様に最新のご提案を行って行く事が、弊社の理念でもあります社会貢献と思います。

担当 営業 M.S / S.I

医薬、食品、環境、材料、バイオなど、様々な分野で使用される分析機器・理化学機器および各種消耗品のことなら中部科学機器へ

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