2010ASMS(American society for mass spectrometry)

#レポート2010.06.22

会場:ユタ州 ソルトレイクシティ
月日:2010年05月23日(日)~27日(木)

 今回のASMSは、アメリカ ユタ州のソルト レイク シティで開催されました。
日曜日には、早速サーモフィッシャーサイエンティフィック社のユーザーズセミナーに参加。その晩、ASMSの前夜祭に今回初めて参加。軽食・アルコール類・ソフトドリンクなどが振舞われるなか、ポスターや展示ブースを見学しました。
ポスターセッションでは、昨年と比較して約2割増の発表があり、900件/日と日本では想像もつかない規模でした。その中で私が注目致しましたのは、サーモフィッシャーサイエンティフィック社のTSQ Vantageでのペプチド定量の発表です。これは新商品でもありますPinpointソフトウェアを使用し、Orbitrapから測定した359ペプチドのスペクトルをPinpoint上で精査し159ペプチドと致し、これを一斉分析として自動的に定量していくという内容です。 このようなペフチド定量は、バイオマーカーでの定性分析から定量分析へと変わっていき、まさに時代の始まりを意味しています。数年前は、バイオマーカー定性が主流発表でしたが、成人病やストレス診断などに「どのくらいの量の薬を投与していくべきか?」という一歩進んだ創薬の分野に対して必ずお役に立てるのではと考えられます。創薬分野でも質量分析装置での分析が益々増えていくと考えられました。

今回、弊社が輸入販売をしているメーカーとの打合せに加え、日本では紹介されていない面白そうな商品も幾つかありました。そこで、幾つか紹介させて頂きます。
・OMNI International
新発売の「Bead Ruptor」は、ビーズの入ったチューブ(0.5、2、5ml)内にサンプルを入れて振動させる事によりビーズ-サンプルが、ぶつかり合ってホモジナイズする前処理装置です。同時に24本のサンプルを処理する事が出来る優れた装置です。日本でも販売を予定しておりますので楽しみにお待ち下さい。

       Bead Ruptor

・その他
Waters社でも採用されています「ASAP」は、ガラス製のプローブに粉体などのサンプルを付けてイオン化(ESI/APCI)するというGC/MSのDIプローブのような商品がありました。HPLCでの分離を必要としないサンプルや急を要する分析には、最適です。 その他、ロータリーポンプの防音箱を備えた実験台など日本では、あまり目にする事がない商品もありました。

今回のソルトレイクでは5月24日(月曜日)の早朝5時に目が覚め、窓の外を眺めていると次第にみぞれ、そして雪に変わり、とても驚かされました。この雪は、1977年5月18日に観測以来の記録のようです。

 

毎回、感じられるのは、とても規模が大きく、質量分析装置に関係する最先端の発表に加え、質量分析装置メーカーの新製品の発表や関連する機器、消耗品など多種多様な展示ブースなどは、何度参加しても興味深い学会であると思います。弊社では、毎年の貴重な行事の一つとして参加を続けております。ASMSでの様々な情報で、皆様のお仕事に少しでもお役に立てるように今後も続けていきたいと思います。

担当 営業 M.S / S.I

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