アナリティクイエナ社 新技術セミナー

#レポート2010.05.17

会場:愛知県産業労働センター
月日:2010年04月16日(金)

 アナリティックイエナ ジャパン社協賛のもと、環境、材料分野における最新技術をテーマとして『新技術セミナー』を開催いたしました。天候の悪い中、30名を超えるお客様にご参加いただきました。メーカーの装置説明主体のセミナーでは、お客様の本当に知りたい事をご提供することは出来ません。しかし今回のセミナーは、基礎的な装置構造から、マイクロウェーブ分解装置の分解条件設定方法、原子吸光分析装置のバックグラウンド補正など、現場ですぐに役立つような実践的な内容でした。
イエナ社製品は他社にはない特徴的な装置が多く、特にマイクロウェーブの手法には関心が非常に高く、ご参加頂いたお客様にご満足頂けたと思います。最近では、中国の毒入り餃子事件のように色々な場面で分析装置が欠かせない存在になってきています。その需要の広がりから、新しい技術が次々と生み出され分析手法も革新されることでしょう。今後もお客様に最新情報をお届け出来る場を設けて行きたいと思います。
《プログラム内容》
1.最新TOC分析計の基礎とアプリケーション
2.マイクロウェーブ試料分析装置の基礎から応用まで
3.高感度高分解能連続光源原子吸光分析の基礎と測定のテクニックと最新アプリケーション
■ multi N/CシリーズTOC計
従来の物と違い3つの測定チャンネルをもつマルチチャンネルNDIR(濃度により自動チャンネル選択)と、幅広いラインナップで、広いダイナミックレンジ(2ppb~30000ppm)を可能にし、希釈作業の時間ロスが少ない使い勝手の良い装置です。炭素、窒素の同時測定も出来ることからあらゆるアプリケーションに対応出来ます。燃焼温度も従来の装置に比べ950度と高く、熱安定性の高い化合物も完全に酸化できます。
また、特許のVITAテクノロジー(ガス流量計がガスフローの変動をリアルタイムで測定を行い、NDIRの信号を一定流量条件下に最適化)で高い再現性と測定精度を実現しました。 容易に部品交換などが可能でメンテナンスに優れた構造をしております。
現在薬局方-16局方改正案にて製薬に使用する水の、TOC計による分析が指針に上げられている為、今後製薬業界からのニーズが高まることが予想されます。

■ contrAA原子吸光分析装置
従来の原子吸光が光源にホロカソードランプを使用しているのに対し、高輝度キセノンランプを用いることで、原子吸光に必要な波長領域189~900nmを全てカバー。さらに次世代のCCD検出器『CMOS』を搭載し、かつて無い高感度を実現した装置です。また、分光器は、ICPと同じ原理を利用した超高分解能エシェル分光器の採用により、超高分解能(0.002nm)が可能になりました。他社に無い魅力的なオプションとして固体の直接測定もあります。
また、今回のセミナーで金属元素の中には補正法によって出てくる数値が異なる元素があることを知りました。具体的な例としましては、メッキ液中の亜鉛と鉄の測定で、亜鉛の測定では従来のD2ランプ補正法、キセノン連続光源補正法どちらでも、近接線が存在しないためほぼ同じ結果になりますが、鉄のフレーム測定においては、キセノン連続光源補正法とD2ランプ補正法では大きな差が生じます。これはD2ランプ補正法ではFeの近接線Niもバックグラウンドとして読まれ、過補正されてしまう為、正しい定量値を量ることが出来ないことが要因です。
半導体分野では、超純水中Siのファーネス測定が40μL注入、濃縮なしで検出限界0.06μg/Lを可能にしています。

■ TOPwaveマイクロウェーブ試料分解装置
揮発性元素の損失が無い完全密閉型のベッセルを採用し、全てのベッセル内部の温度及び圧力を非接触のセンサーにてモニタリングすることで、短時間で正確且つ安全に試料を分解することが出来る装置です。ベッセルは従来の一体型と違い1つ1つ取り外しが出来る為、女性の方にも非常に扱い易い構造をしております。

《アナリティックイエナ社とは・・・》
1846年カール ツァイス氏によってドイツ イエナ市に創設されたカール ツァイス イエナ社を前身とする科学機器メーカーで1995年の独立後、数々の革新的技術開発により急速に発展し、世界市場においてグローバルなビジネスを展開しています。
主要取扱製品:原子吸光分析装置、分光光度計、元素分析装置、全有機炭素測定装置(TOC計)マイクロウェーブ試料分解装置等。

*セミナーで使用しました資料をご希望の方は、お問合せ下さい

 
担当 名古屋営業所 H.S

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