2008分析展 JAIMA
会場:幕張メッセ
月日:2008年09月03日(水)~09月05日(金)
今年も幕張メッセにて分析展が開催され、全国各地から分析に携わる方々が多数来場されました。出展社数は前年より増え327社に上り、会場も拡張されました。私はそのうちの1社、サーモフィッシャーサイエンティフィック社のFT-IRの説明要員として分析展に参加させていただきました。私自身このような全国規模の分析展に参加することは初めての経験であり、開催前から期待感と緊張感でいっぱいでした。会場に入るなり想像をはるかに超える広さと個性溢れる各出展社ブースの鮮やかさ、きれいに展示されている多くの新製品を見て、期待感と緊張感が更に高まりました。ブースは入り口のすぐ近くだったため開場と同時にお客様でいっぱいとなり、会場の広さと人の多さに驚いている暇はありませんでした。連日大盛況で材料・環境・食品・製薬関係の方々、大学の先生、装置の勉強のために来場される新入社員や大学生など様々な方に装置のご案内をさせていただきました。 「使いやすさ」と「自動化」 FT-IRのブースでは、今春発表されたばかりの新製品が展示してありました。Nicolet 380の後継機「Nicolet iS10」は、スマートiTRという前処理が殆ど必要なく、測定時間も数秒で行える新型の一回反射型ATRアクセサリや、汎用ライブラリでも高い検索結果が求められるアドバンストATR補正機能を搭載しています。ソフトウェアの面でもOMNIC Spectaという混合物の複数成分を同時に検索することが可能な、他メーカーにはない充実した機能を搭載しております。品質管理などのルーチンワークがメインとなるユーザーにとって測定時間の短縮が見込める本機は、とても向いているのではないでしょうか。 顕微赤外FT-IR「Nicolet iN10」はこれまでにはない、顕微鏡に光源、干渉計、検出器が搭載された一体型のシステムとなっております。設置スペースをとらないメリットに加え、一体型になったことにより光路が短くなり感度が向上し、50μmまでの異物は液体窒素不要でも測定が可能となりました。顕微赤外イメージングシステム「Nicolet iN10 MX」は、ウルトラファーストスキャン機能によってマッピング速度が従来よりも10倍速くなりました。また、イメージングのアレイ検出器搭載時には更に15倍速くなります。ブース内ではこの機能を実演しておりましたが、見学されていた方々は測定の速さに驚かれておりました。 ラマン分光測定装置DXRシリーズでは、マクロ専用タイプの「DXR Smart ラマン」、ミクロ専用タイプの「DXR 顕微レーザラマン」が発表されました。従来の装置と性能は変わらずリーズナブルな価格になっております。スマートロックによりレーザ、グレーティング、フィルタの交換は誰でも簡単にでき、交換後は自動チェックが行われるため高い再現性が得られます。操作性に関しても初心者でも簡単に測定できるよう自動化が図られております。 今回の新製品は簡単に測定できる「使いやすさ」と、測定時間の短縮や高い再現性を求めた「自動化」が共通のキーワードであると感じました。 LC/MS、原子吸光分析装置のブースにも新製品が展示してありました。電場型フーリエ変換質量分析計として初めてのベンチトップ型LC/MSシステム「Exactive」は最高分解能10万のため、複雑なマトリックス中でも化合物の同定が正確に行えます。 コンパクトで使い易い原子吸光分析装置「iCE3000」シリーズは、グラファイトファーネステレビジョンシステムというファーネス分析の際、試料が灰化するまでを直接観察することができる機能が標準で搭載されております。どのユーザーでも簡単にランプの取り付けやチャンバーの取り外しが可能なことなどメンテナンスが簡易な点も特徴です。 マイクロサポート社では、マイクロマニュピレーターのAxis-Proを中心に、新しいツールとして、先端0.015mmの微細異物を掴んだり、引っ張ったりできるピンセットのような「マイクロツイーザーズ」、ダイヤル操作を行うことで正確な位置決めが可能な「クイックジョイ」が発表されていました。また、新製品の補助ツール「サードハンド」で試料を固定し、位置決めをするのにクイックジョイを用いるという組み合わせを行えば、作業効率は格段に良くなるのではないでしょうか。 |
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担当 東京営業所 Y.T