Pittcon2007

#レポート2007.04.09

会場:アメリカ イリノイ州シカゴ
月日:2007年2月25日(日)~3月2日(金)

 五大湖・ミシガン湖の西側にあるアメリカ国内第3位の都市としてイリノイ州シカゴは有名ですが、街並みはマコービックセンターのような会場施設もあれば歴史的建築物もあり、ビジネス・交通・文化の中心であることが窺い知りました。今年のシカゴは、例年より暖冬のようでしたが、私たちが滞在している期間は雪が降る寒い毎日でした。
今回のPITTCON視察で目にとまりましたのは、ウォーターズとサーモフィッシャーサイエンティフィックの超高速液体クロマトグラフと質量分析装置でした。まずは、ウォーターズから日本国内で既に紹介されているSynapt High Definition MSです。この装置がGOLD  AWARDを受賞しました。イオンモビリティ分離によって、識別の難しい保持時間と質量が同一のサンプルでも、見かけの大きさや形状で識別することが特徴です。また液クロの展示はUPLCだけでした。2004年に同賞を受賞しましたが、「UPLCをラボの標準機」にという戦略が窺い知れます。サーモフィッシャーサイエンティフィックからは、イオントラップ型質量分析装置LTQなどとドッキングして使用するElectron Transfer Dissociation (ETD)がSILVER AWARDを受賞しました。ESIで生成した多価カチオンをCIガスにて生成したラジカルアニオンと反応させると起きるペプチド骨格の開裂を利用して、翻訳後修飾部位やペプチドからC体、Z体までの解析が容易になりました。今まで高価な質量分析装置でしか得られなかったデータやその情報を、より安価で簡易に取得出来ることになったことで、今後のプロテオミクスの研究に役立つツールと言えます。またバリアンからは、1200GCMSの後継機、320GCMSが展示されていました。Agilentからは新しいガスクロも展示されていました。
もう一つの目的として、J2サイエンティフィックス社(GPCクリーンナップシステム、SPE濃縮自動装置などを製造するメーカー)を始めとする弊社が販売契約をしている各メーカーとの打ち合わせやトレーニングが連日ありました。すでに販売を開始しておりますJ2サイエンティフィックス社GPCシステムの回収率の報告やマーケティングについて打ち合わせを行いました。特にAccuVapの回収率は95%前後での安定化が見込めるため、是非、残留農薬一斉分析やダイオキシン分析のお客様へ紹介していきたいと思います。プロトタイプとして、AccuVap Flexというサンプルの濃縮をして1.5MLバイアルに分注できるシステムを発表しました。また新しいSPEシステムとして、SPEカラムを2個直列までセットでき、SPEが装着される箇所に液面のレベルセンサーが付いている優れたシステムも発表されました。今後の私達の技術力と営業力によって、国内販売に力を注いでいきたいと思います。
今後の輸入販売を前提に、Omni International社のディスポーザブルホモジナイザーを視察してきました。刃がディスポーザブルタイプなので、サンプルのコンタミネーションを防ぎたいお客様に適しています。ディスポーザブルタイプとはいっても、オートクレーブ、漂白、超音波洗浄にも耐えられる交換刃になっています。病理学、法医学、解剖学などのお客様に利便性があると考えられますので、デモ機をお試しいただき、研究に役立てるものとしていきたいと思います。
CLAISSE社からは、蛍光X線分析用のディスクや原子吸光やICP発光分析のためのサンプル作製を、安全・迅速に行なう事が可能な電気加熱タイプやプロパンガス仕様の6連同時作製タイプ、カスタムメイドのシステムなどもありました。日本では、まだ紹介される事例は多くはございませんが、生産性や安全性の面からニーズのある装置と思われます。操作性や海外の動向など最新の情報を仕入れながら国内市場を探っていきたいと思います。
GLASS EXPANSION社では、各社ICP-OESのトーチ、ネブライザー、チャンバーのサンプル展示がございました。弊社には無機分析ユーザーが多く、純正価格や消耗頻度の高いトーチなどでお困りのお客様も多く、純正品質と同等、低価格に加えオリジナリティのある消耗品の供給可能なGLASS EXPANSION社の製品は、無機分析市場に一石を投じることのできるメーカーと感じました。
私は、PITTCONには初めて参加いたしました。諸先輩方からは、年々、規模・出展社数が減ってきていると聞いていましたが、私自身、開催規模に圧倒されました。3年前に私がこのCS@NEWSでお伝えしましたJAIMA(分析展・千葉県幕張)にも驚かされましたが、世界の名だたる分析機器メーカーからベンチャー企業まで集うPITTCONは、まさに年に一度の科学の祭典と感じさせられました。
これから日本国内で紹介されずに見過ごされている優れた機器・消耗品を探し出し検討しながら、日頃お世話なっているお客様に情報提供していきたいと思っております。

担当 東京営業所 A.S

医薬、食品、環境、材料、バイオなど、様々な分野で使用される分析機器・理化学機器および各種消耗品のことなら中部科学機器へ

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