2003分析展 JAIMA
会場:幕張メッセ
月日:9月10日(水)~9月12日(金)
初めて分析展を見学に行きました。私自身、最新科学機器展には、何度か足を運んだ事がありましたが、分析展の規模の大きさと質の高さに驚かされました。今年のキャッチフレーズ“新たなる発想、大いなる挑戦、さらなる歩み”!厳しい経済不況の中、研究機器を扱う立場として、少しでも最新の情報がお客様に提供でき、お客様ともども、さらなる歩みができるよう勉強してきました。来場者の方は購入決定権を持つ方が多く、メーカーの説明員は製品、技術情報、動向など多くの情報を持っており非常に内容の濃い展示会でした。
弊社が代理店をしているサーモエレクトロン社では、御好評のイオントラップ型LC/MSnシステムの上位機種として、さらなる高感度のリニアトラップ型LTQが発表展示されていました。さらにFT-MSを取り付けたLTQ-FTが目を引きました。 トリプルステージLC/MS/MSではTSQ Quantumが新たに3機種にラインナップされました。従来のTSQ QuantumがTSQ Quantum Discoveryとして、さらに上位機種としてTSQ Quantum Ultra、TSQ Quantum UltraAMがラインナップされ、さらに高感度な定量分析が可能になりました。 これからはMS/MSの時代と言われているように、水道農薬におけるLC/MS/MSの呼び声は高く、一斉分析を想定する上で前処理が簡便であること、かつMS側の選択性が求められております。サーモエレクトロン社のTSQ Quantum Discoveryはクロストーク除去機能や、高分解能対応四重極を備えており、LCによる面倒な条件検討をせずにMS側の選択性向上により実サンプルは特に実力を発揮する事が出来ます。 エーエムアール社ではMAGIC2002の後継としてParadigm MS4が展示されていました。キャピラリーLCの4液グラジェントにより2DLC/MS/MSが現実味をおびてきたという点で、2次元電気泳動のゲルの切り出しを行わなくても、LCにて分画してMSにかけられるので、さらなるスピードアップが期待出来ます。 新技術説明会では、今話題になっている食品中の残留農薬分析についてセミナーに参加して来ました。食品衛生法での農薬規制は、輸入食品なども対象を含めると400とも500ともいわれており、多成分一斉分析が求められております。食品農薬GC/MS分析では従来、試料からの抽出効率、夾雑成分(マトリックス)により、目的の検出限界が取れないなどの問題点がありました。しかしサーモエレクトロン社のイオントラップ型GC/MSn PolarisQは、MS/MSによる妨害物質(マトリックス)除去による選択性の向上、イオン源の交換が真空に落とさずにできる真空ロック機構(食品などの汚れたサンプルには特に有効)、外部イオン化の為トラップ内でのイオン分子反応が低減され、定量性も信頼がおけるなど食品中の残留農薬一斉分析する上で必要な機能を全て備えており、既に各方面の食品農薬分析担当者からも絶大な信頼をうけています。今後イオントラップ型GC/MS/MSによる食品農薬分析はさらに増えていくものと確信いたしました。 展示会全体として各メーカーがプロテオーム、食品農薬、水道法改正、土壌分析などをターゲットに展示発表しており、日々の情報収集、スキルアップの必要性を痛感いたしました。 今後もディーラーとして信頼のおける技術力と知識を身につけるべく精進していきます。最新情報をお客様にお届けできる事を、帰りの新幹線の中で今からわくわくしております。 |
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担当 名古屋営業所 K.Y