第16回 JBFシンポジウム

#レポート2025.03.13

月日: 3月3日(月)~5日(水)
会場:アクリエひめじ


姫路で開催されました第16回JBFシンポジウムに参加させて頂きました。今回の総参加者は400名弱と昨年の京都よりも多く、盛り上がっている印象を受けました。


講演内容としては、昨年に比べて中・高分子の発表が多く、よりトレンドが低分子から移行されていると感じました。

今年は、初めてOlink(Olink Proteomics社)やSomaScan(SomaLogic社)がトピックスとして取り上げられました。以前からプロテオームでバイオマーカーを検索しておられるお客様からよくお聞きするサービスでしたので、今回その詳細が分かったことは大変勉強になりました。
Olink、SomaScanともに抗原抗体反応(ELISAに近い)を利用した方法ですが、検出法が異なります。それぞれ5,000個のたんぱく質が測定可能です。ともに多くの部分で検出できるタンパク質に違いは少ないと思っておりましたが、想像とは違って、かなりの数が異なって検出される事に驚きました。


感度で言えばともに抗原抗体反応ですので、質量分析計の感度よりもはるかに低濃度で検出できますが、両システムとも基本的にはヒトに限定されていますので、多種多様な応用力という意味では質量分析計が優れていると言えます。さらに、ビーズを使ったタンパク質の精製方法を使った場合には、血液中のたんぱく質がOlink、SomaScanともに4,000個程度が検出されるのに対して、質量分析計は6,000個程度が検出され、質量分析計の有能性が示されました。

さらに今後は、針生検(太い針を病変部分に刺し組織を採取すること)を使った組織サンプルの採取が禁止される方向に進むとの欧米の指針が示され、日本でも同様の動きになると思われます。これにより、採取に患者様の負担の少ないリキッドバイオプシー(血液や尿)の検査の重要性が増すことになります。


その他にも、講演の中ではバイオバンク、DI、自動化といった、弊社内でもよく話しが出ているキーワードが多く出てきており、そこから現在のトレンドが見えてきました。
DIに関しては、日本ではいまだに紙ベースで報告書を作成しているところも多々あり、まだまだ遅れているという認識を持ちました。それと同時に、LIMS(Laboratory Information Management System:ラボ情報管理システム)については、この先もターゲットとして狙っていけるチャンスがあると感じました。


今回のJBF全体を通して、基本的な理念である「正しく測定し、その結果を正しく保存する」という部分のみならず、トレンドである中・高分子によりスポットが当たっている部分も多く、今後は中高分子への関心が高まるのではないかと感じました。

次回も機会があれば、また参加させて頂きたいと思います。

東京支社 営業 S.T.

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