2007分析展 JAIMA

#レポート2007.09.28

会場:幕張メッセ
月日:2007年8月29日(水)~8月31日(金) 

 残暑厳しい中、今年も分析展が開催されました。出展者数、来場者数共に年々増えており、会場内は熱気に包まれておりました。従来のバイオ、製薬やポジティブリストなどのトレンドから工業材料・ナノテクノロジーなど新しい分野の機器分析の紹介が増えてまいりました。

例年であれば最新の情報を得ることを目的に訪問をしていますが、今回は代理店のひとつであるTAインスツルメント社の説明員として参加をしました。TA社は、熱分析・粘弾性の草分け的な存在で、デュポン時代から蓄積したアプリケーションの豊富さは業界でもトップクラスです。熱分析と粘弾性の装置を持つメーカーは、TA社のみであり、物性測定のワールドリーダー的存在の地位を確固たるものとしています。
粘弾性は固体から液体まで幅広く利用可能な粘弾性測定器の「ARES」、液体において、高感度に測定できる「AR」など、食品、材料など普段何気なく見ているモノの物性評価に利用されていることに非常に驚きました。他社メーカーの能力をはるかに上回る装置で、早くお客様にご紹介をしていきたいと思います。
熱分析においてはDSCを初め、TA社の特徴であるMDSC(モジュレーティッド(特許)による温度変調機能)が特徴的です。複合材料などの評価に可能性を秘めており、ガラス転移の違いなどにより、合成樹脂などの物性評価が飛躍的に向上します。装置のベースラインの安定性は他社の能力をはるかに凌駕しております。
また新しいラインナップでは、(nWオーダー)を検出可能なマイクロカロリーメーターがあります。微量の熱反応を測定でき、たんぱく質などから、医薬品の安定性試験、コンクリートの発熱など幅広い分野で可能性を秘めている装置です。
説明員という立場でユーザー様とコミュニケーションをし、身の回りに存在するあらゆるモノの素材の研究や品質評価という分野で、予想以上に多くのユーザー様で利用されていると改めて実感しました。

会場の入口を入ると、弊社取扱メーカーのひとつであるThermo Fisherの展示があり、真っ赤な絨毯に、白を基調としたデザインで非常に目立っておりました。MSのみならずICP,XPSなど新機種の発表が目立ち、装置の説明に聞き入っているお客様が多く見られました。他メーカーの方々から「今年のThermoは勢いがある」と耳にするほどの盛況ぶりで、世界一のMSメーカーの貫禄を感じさせられました。
特に目を引いていたのは、分解能が10万という驚異的な値の電波型のイオントラップFT/MS「LTQ Orbitrap」です。プロテオミクスのユーザー様のみならず、多種多様な分野の分析を、飛躍的に向上させる可能性を秘めております。トリプルステージ型GC/MS/MS「QuantumGC」の発表もありました。他社の追随をゆるさない分析感度で、従来のタンデムGC/MS/MSのカテゴリーを超越しております。また、IRISから長い期間を経て登場した「iCAP」はコンパクト、高性能なICPです。

Perkin ElmerではATD加熱脱着GC/MSシステムの展示があり、環境分野以外にも有機材料関連でニーズが広がる可能性があり、アウトガス分析の幅広さを感じさせられます。また、新デザインの顕微FT/IR、ラマンの発表もあり価格、性能ともに魅力的な製品です。
マイクロサポート社のブースでは、自動マニュピレーターの実演デモが人気でした。コンピュータ上で微小な5umの異物のピックアップが簡便に行え、マイクロサンプリングでお悩みのSEMや顕微FT/IRユーザ様から感嘆の声が上がっていました。

FT/IR,MS,HPLCなどの分析機器に限らず、今回、説明員として参加したTA社の物性評価など、ユーザー様により適した装置をご提供出来るディーラーとして、さらなるステップアップをしていきたいと思います。

担当 名古屋営業所 Y.O

医薬、食品、環境、材料、バイオなど、様々な分野で使用される分析機器・理化学機器および各種消耗品のことなら中部科学機器へ

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