Pittcon2008

#レポート2008.03.28

会場:アメリカ ルイジアナ州ニューオリンズ
月日:2008年03月03日(月)~03月06日(木)

 今回のPittcon2008は、ジャズ発祥の地として有名なニューオリンズで催されました。町はカトリーナの脅威から復興を遂げ、賑わいを取り戻しつつありました。中心部の歴史的な建築物は遜色も少ない印象を受け、「アメリカ人が訪問したい場所」の第3位に入っているだけの事はあると感じました。滞在中の昼間はTシャツでも気持ちの良いそよ風が吹き、非常に過ごしやすい気候でした。

今回の目的の一つに、弊社が取り扱うJ2Scientific社の新製品である「SPE自動化システム」の発表がありました。昨今世間を賑わせている「中国餃子」などの報道が問題になっていますが、本装置は加工食品や残留農薬分析等においてGC/MS、LC/MSの前処理として必要不可欠な装置となります。SPEを最大9本搭載したユニットが最大5個搭載でき、ユニット式の装置は当然PREP(分隔装置)やVAP(濃縮装置)にそれぞれ接続する事が出来ます。最大の利点はGPC→SPE→濃縮へと自動で完結できる点で、組成の違う溶媒の置換も出来ます。ソフトウェアはすべてのユニットが一つの画面で統合的に管理されており、行き来も使い勝手もより洗練された印象を受けました。他社には無いユニークな発想があり、装置、ソフトウェアと共に非常に完成度の高い印象を受けました。OMNIインターナショナル社のディスポホモジナイザーはTHタイプがデザインを一新し「人間工学」を意識した、曲線系のデザインを採用するなど日本人の女性向けとしても非常に使いやすい握り心地でした。モーターをブラシレスモーターに改良しデジタル表示がついたタイプや、卓上型で太いシャフトが使える物も販売を開始します。プロトタイプではありましたが、大型自動化の装置はすでに製薬会社からの注文も受けており「新製品ラッシュで盛況である」との現地の嬉しい悲鳴を耳にしました。
消耗品ではCAMSCO社が、加熱脱着GC用のテナックスチューブの出展をしており、世界各国の名だたる機関にすでに実績があり、近い将来、高品質な加熱脱着用チューブを低価格でご紹介できると思います。また、VP SCIENTIFIC社は96Wellのプレートの中を、マグネットを使って攪拌する製品を展示しており、製薬関連を初めとするロボットとの連携性と、利便性の可能性を感じました。すでに販売している所ではGlass Expansion社については新型のトーチ類を発表しており、追従する他社のクオリティやブースの規模なども見ましたが、それに比べて信頼性の高さを感じました。

会場全体の雰囲気としては、圧巻の一言。どのブースにいっても初日から来場者も多く、世界最大の見本市を目の当たりにし感動しました。代理店であるサーモフィッシャーサイエンティフィック社のIRが最新機種を投入しておりました。380からiS10に変わったのを初め、Nicolet iN10(MX)は顕微鏡が一体化した顕微IRで、マウスを使ってオートステージと連動する事で、簡単にマッピング操作ができます。専用ソフト(OMNIC)も、複合材料のスペクトル解析をライブラリで解析可能となり、非常に完成度が高い印象を受けました。イオントラップITQ700,900.1100という後継機種に代わっており、末尾の型番はMSレンジをあらわします。
また、Perkin Elmer社のICPがDV7000シリーズとしてモデルチェンジしておりました。Universal DataAquisitonを搭載し、バックグラウンドで目的元素以外のデータも取っている事で、過去の条件をいつでも再現できる点が技術者にとっては非常に便利な機能であると思いました。ソフトウェア面以外にもエレクトロニクスも最新の物に挿し変わり、装置として成熟した感を見せていました。

今回の訪米で感じた事は、ユニークな商品やアイデアが多くつまった見本市であると共に、世界中から一同に集まった人々の期待感や高揚感は、今まで感じたことが無いものでした。今回得た情報をはじめ、引き続きコンタクトをとる事で最先端の情報をお客様にお届けできる様努めて行きたいと思っております。

担当 名古屋営業所 Y.O

医薬、食品、環境、材料、バイオなど、様々な分野で使用される分析機器・理化学機器および各種消耗品のことなら中部科学機器へ

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