サーモエレクトロン株式会社においては、「総合力」をテーマに装置・分析情報が紹介されました。高性能ハイブリッドFT―MS「FinniganLTQ-FT（FTICR-MS）は、プロテオミクス、新薬開発、代謝分析などにおいて精密質量の測定を高感度・高分離能が可能な最高の分析能力がとても魅力的でした。
また世界最高性能のNicoletContinμmXLは、今までの顕微赤外FT-IRシステムにイメージング機能が追加され、材料開発・解析には欠かすことのできない装置となっていました。好評であったInfinityCorrected光学系、デュアルアパーチャーによる高空間分解能をはじめ、Tru-View、ATRカセグレンなどの機能は全て引き継がれています。
その他にもピペット、PCR装置からX線分析システムなど、ライフサイエンス、材料、環境など様々な分野に先端機器が提供できるメーカーへと発展されています。

最近の分析傾向の一つにLC/MS/MSが注目されています。そこで、サンプルのコンタミネーションに着目したのが、資生堂のオートサンプラーZです。現在のMS/MSは非常に高感度のために、オートサンプラーによる試料注入時の微量のキャリーオーバーが問題視されています。それを、超音波洗浄を搭載したオートサンプラーZが解決してくれます。弊社のユーザーにおいてもLC/MS/MSのシステムとしてパワフルに稼動しています。
バリアンテクノロジーズジャパンリミテッドにおいては、固相抽出、たんぱく前処理用のフィルターなど前処理製品から、カラムFactorFOURなどを提供できる体制も整え、トータルソリューションへと進化しています。有機分析では、より身近な存在となりました。

また原子吸光・ICP発光分光光度計が新しく生まれ変わりました。原子吸光AA240・280シリーズ、ICP発光マルチ型Vistaは、今まで好評をいただいていた高感度・操作性・ヘルプ機能は全機種継承しながら、低ランニングコストの実現に成功しています。環境分析から半導体分野にいたるまで、高感度でありながら簡易な測定をどなたにでも可能にしている優れた装置と感じました。WEEE・RoHSなど欧州法規制の対応できる製品群にも魅力を感じます。お客様の分析・研究開発のパートナーの一人として欠かせない存在と言っても過言ではないのではないでしょうか。
欧州法規制の関係で蛍光X線装置の市場が活発であることも感じ取れました。今回の展示会での説明会も多くありましたが、メーカー独自にセミナー活動もされているとのことです。有害金属分析の関心はこれからまだまだ高まっていくと思われます。

分析展の活気溢れる会場には驚かされるばかりでした。分析装置の基本性能や機能の向上だけでなく、新技術をどこよりも早く開発を行い、分析開発者に提供できるか競われています。私共はそれらを知識として身に付けるだけでなく、お客さまへ提案できる技術として身に付けていかなければならないと思います。そして、その技術力が活かされたとき、地球を守り未来へと貢献できることを誇りに思い、さらに営業活動に邁進していきたいと思います。