○社内で初の自主的な内部監査実施に向けて
エコステージ1の認証を取得してから3年が経過し、今年は3年目の更新評価の年にあたります。毎年1回受ける定期評価では、当社は事実上エコステージ2の要求事項のすべてに取り組んでいるという評価をいただいておりましたので、今回の更新評価でエコステージ2へのステージアップを目指し取り組みました。内部監査はエコステージ2の必須事項でもありますので、今回は部署単位での自主的な内部監査を実施しました。これは、当社にとって初めての取り組みでした。内部監査責任者の任命を受けた私は、外部研修の受講により規格の内容や監査の進め方等を学び、監査員としてのスキルアップに努めました。
内部監査の目的は、構築されたシステムが正しく機能しているかをチェックすることにあります。ただし、単なる○×チェックの確認作業で終わるのではなく、そこから各部署の問題点や課題をいかにして発見するかがポイントです。多くの問題は誰もが認識できる「見える問題」ですが、あまり表面には出てこない潜在的な「見えない問題」をいかにして発見し、そこから改善に導くことができるか、ここが内部監査員に求められる役割だと考えます。私にとって内部監査を行うことは初めての経験であり、その役割と責任を果たせるのかという不安はありました。外部研修では、相手の部署をよく知り、理解することが監査の第一歩であるとの話を聞き、まずは現状把握に重点を置いて、そこから掘り下げて問題点を吸い上げることを心がけて監査を行いました。
○内部監査を実施して気づいたこと
内部監査を実施するにあたって、今回オブザーバーとして同席いただいたエコステージ評価員の方からは、「時間厳守で進めてください。」との指導がありました。これは「ムリ・ムラ・ムダ」をなくすというエコステージの基本にも関わることです。監査というと、とかく形式的であったり、馴れ合いの監査になりがちですが、せっかく各部署の担当者に時間を割いてもらっているので、そのような意味のない監査にするわけにはいきません。だらだらとムダに時間を費やす結果にならないよう、事前準備をしっかり行い、決められた時間内に終了できるよう監査に臨みました。
実際に監査を行って気づいたことは、日頃の業務においても各部署とやりとりする機会も多く、各部署の状況はある程度把握できているつもりでしたが、今回あらためて見えてきたこともありました。それは改善すべき問題点だけでなく、評価すべき点も多数ありました。また、エコステージ評価員の方から「それは素晴らしいことですね。評価できますね。」というお褒めの言葉をいただけた点もあり、これまでの活動が正しい方向に進んでいたことを再認識することができた瞬間でした。このような外部の目から見た意見というのは、そのままお客様からの評価につながる部分もあると思います。また、外部の目で客観的に評価されたことで、各部署での今後の活動に取り組む姿勢の意識付けにもなりました。
今回の内部監査の結果としては、改善点、評価点含めて外部・内部コミュニケーションに関する内容がいくつか挙がりました。メーカーではなく専門商社である当社が、お客様に提供する商品は「モノ」ではなく「専門的な情報力」です。情報という商品価値を高めるためには、メーカーとのコミュニケーションや社内のコミュニケーションは非常に重要なファクターです。この部分をさらに改善していくことによって、当社としての企業価値の向上にもつながります。
内部監査の結果については、監査員からの改善意見として各部署に提示しましたが、それで終わるのではなく、各部署で具体的な改善への取り組みを行い、成果につなげることが重要です。内部監査員として、エコステージによる改善活動が今後も継続的に行われるよう、定期的なチェックを行っていきたいと思います。
○今後のエコステージ活動の取り組み
今回の内部監査を終え、その後エコステージ評価員による定期評価を受け、さらに第三者評価委員会を経て、このたび当社はエコステージ2への格上げを承認していただくことができました。
エコステージ2に格上げになったことにより、必須となる規格要求事項の項目数も増え、また2015年版のエコステージ改定もあって、理解すべき内容も増えました。内部監査員としては、まだまだ未熟な面を自覚しておりますので、その役割と責任を果たせるよう内部監査員としての力量向上に努めたいと思います。
今回格上げとなったエコステージ2は、ISO14001と同水準の認証になりますので、顧客信頼度の向上にもつながると思います。そこから、さらに取引企業の拡大、売上増加へと展開していくことが望まれます。内部監査員の立場で、今後もより一層の経営改善を推進していきたいと思います。 |