中部科学機器:
本日は貴重なお時間を頂きありがとうございます。
最近の環境における基準の見直し、改正は多種多様になり、そのスピードも加速されていますが装置の導入にあたりどのようなポイントがありましたか?又今後の展開についてもお聞かせ頂きたいと思います。
今回GC-MS、LC-MSを導入されましたがどのような目的で使用されるのでしょうか?
担当者:
2004.4の水道法基準の見直しにより、水質管理項目で農薬101成分の検討項目が追加され、測定方法にGC-MS、LC-MSなどが盛りこまれました。また食品農薬における規制も強化されつつある現状を考えると、他の分析機関に先行して、県内の依頼分析業務を行っていく為には、簡便かつ、感度の良い装置を導入して、分析業務の強化をしていく為に、導入の検討をしました。
中部科学機器:
GC-MSの選定のポイントを教えて下さい。
担当者:
当初は四重極のGC-MSを検討していました。
しかし、将来的に農薬管理項目の増加を考え、多成分を同時に分析出来るイオントラップを中部科学機器さんから提案して頂き、イオントラップを検討機種に盛り込むことになりました。また、食品農薬のGC-MSによる一斉分析方法として、近年厚生労働省のイオントラップGC-MS/MSによる一斉分析などの論文発表があり、GC-MS/MS法で農薬の一斉分析が迅速かつ簡便に行なえるとの情報を頂きました。
それで再度、検討した結果サーモエレクトロン製の POLARISQに選定しました。
中部科学機器:
それではLC-MSの選定ポイントを教えて下さい。
担当者:
3メーカーの機種でデータ競争を行いました。
その結果、サーモエレクトロン製が他メーカーに比べ、非常に良い結果が得られました。また、今後一斉分析を行なう上で、MS/MS以外に高分解能モード機能がありFWHMをふってやることで選択性が向上し、実試料条件下ではMS/MSと併用することで、煩わしいHPLCによる条件設定をなるべく簡便に行え、MS側の条件設定で多成分の一斉分析が可能と評価することが出来ました。結果、サーモエレクトロン製のTSQ Quantum Discoveryを選定しました。
中部科学機器:
その他に選定するきっかけになったことはありましたか?
担当者:
所内で、LC-MS/MSについての分析手法やイオントラップ型の特徴について、イン ハウスセミナーを開いて頂きました。その結果選定後は、所内でも広く理解出来 ていた事により、比較的スムーズに導入決定することが出来ました。
その他に中部科学機器さんより論文発表等の資料を頂き、選定もスムーズに行なえること が出来ました。
中部科学機器:
実際に導入されて現在の状況は如何ですか?
担当者:
混合標品によるメソッドの確立中です。
GC-MS/MSは徐々に出来つつあります。実サンプルにて分析評価を行い稼動に向けて日々、検討に励んでおります。
LC-MS/MSについては、水道農薬101成分の物質をどのようにおこなっていくか検討中で、中部科学機器とメーカーと密に連絡をとりながら一日も早く稼動できるように奮闘中です。
中部科学機器:
今後、分析を行なっていく上で課題としていくことは何かありますか?
担当者:
今後は水道だけでなく、食品農薬も分析する予定です。
日程の調整やメンテナンスなど食品検査の担当者と擦り合せながら稼動させていく予定です。また、抗菌剤や動物用医薬品なども問題になってきているので、今後分析していかなければならないでしょうね。
中部科学機器:
最後に、ご要望等をお聞かせ願えればお願い致します。
担当者:
当所は研究ではないので、少しでも早く分析業務を稼動させるのが目的です。稼動させるまでのプロセスで疑問点などをメーカーにどうしても聞きたい内容などが多々あり、国産メーカーなどと比べ時間を要しますが、その分ディーラーである担当の中部科学機器さんには奔走して頂き大変助かっております。
装置を利用して、農薬以外にも抗菌剤や動物用医薬品などの物質についても前処理や分析メソッドなどの情報が入手希望です。早い段階での規制強化が高まりつつあるからです。
中部科学機器:
貴重なお時間頂きましてありがとうございました。今後もより良い提案を出来るよう努めてまいります。今後も宜しくお願い致します。ありがとうございました。 |